8月17日(月) 晴れ(夕方スコール)  景洪  景咏飯店・双人房

 朝7時起き。身支度して8時過ぎ、両替のために中国銀行へ向かう。着いてみると9時からだというから、先に朝食を摂ることにして、朝市とかを回ってみる。でも、めぼしいものはなくて、結局昨日夕食を食べた食堂でお粥を食べた。でも、ここのはザーサイが付いてなかった。前に買ったMyザーサイ、持って来ればよかったなー。
 食後、まだ時間があるから、宿の服務台で野象谷の行き方を尋ねてみる。「長途バスターミナルへ行ってみれば?」という返事だ。その後再び銀行に向かって、両替を済ませた。
 今日の目的地は、曼飛龍というタイ族の仏塔。長途バスターミナルに行って停車場をウロついて、モン龍行きのバスを探す。一通り回ってみたけど、結局最初に声をかけてくれたバスに決めた。バスというより、超ボロの軽ワゴン車って感じだ。思いっきり傾いてて使い物にならない椅子が一つある。とにかく出発。
 町を出ると、道の両脇は一面の田園地帯になった。そこに白い蝶が飛び交っててキレイ。でも、ひどい揺れ。前の座席の背もたれを掴んだら、それも動いて壊れそう^^; でも、気付いた。フロントガラスに車検証が貼ってある。ちゃんと今年のヤツ。車検……中国にもちゃんとあったんだ。ずっとないんだと思ってた。とても車検に通りそうもないオンボロ車によく乗ったから。車検……本当なら安心すべきなんだろうけど、あってコレなのかと思うと、余計に恐ろしい……。
とはいえ快調に走ってたんだけど、山道に入って暫くすると、タイヤがパンクしてしまった。お客はみんな(といっても、あたしたちを含めて4人)降りて、修理が始まる。あたしたち以外の二人は男の人で、修理を手伝ってるけど、あたしたちは役立つはずもないから、ウロウロと景色を見にいったりする。パンクの記念(?)に修理中の写真も撮る。やがて修理完了。再出発する。

パンク修理
パンク修理記念写真です^^;

 しかし、とっても遅い。何台ものミニバスに抜かされ、約3時間かかってモン龍の町に到着した。歩いて10分くらいで通り抜けられそうな小さな町だ。まず食堂に入って昼食にして、曼飛龍のある方角を店の人に確かめてから出発した。
 ワゴンで来た道を2キロ程戻った場所なので、のんびりと歩く。左手には山、右手には広い田んぼが広がっている。道は木陰になってて気持ちいい。写真を撮りながら、途中でもう一回場所を人に確かめて、やがて曼飛龍の石碑を見つけた。30分くらいの距離だった。
 石碑に刻まれている矢印に従って、山の方へ曲がる。そこはタイ族の村で、高床式住居が立ち並んでいる。その間の坂道を歩いていると、牛とかに出会う。もう木陰はなくて、炎天下だ。それなのに、坂道は今度は山を登る急な階段になった。遥か上を眺めてしまうと、登る前から根性がなくなっちゃいそう。見ないことにして登り始めた。
 階段の右側はバナナ畑。ときどき立ち止まって下を眺めると、さすがにいい眺めだ。その瞬間だけは疲れが吹き飛ぶ。向こうの方にも山があって、その麓からずーっと田んぼで、そこに少数民族の村が点在しているのが見えた。
 疲れ果てて辿り着いた曼飛龍の仏塔は、これまでの苦労が報われたと思える程キレイだった! 真っ青な空に真っ白な塔が眩しい。とても静かで、牛の首の鈴の音しかしない。見たことのない真っ赤な花に戯れる、いろいろなたくさんの蝶たち。ああ、来て良かったー。

曼飛龍
曼飛龍の仏塔です

 ここで、日本人の若夫婦に出会った。西双版納に来てからは初めて出会う日本人で、話が弾む。その会話で言われた。
「あなたたち、あの途中でパンクしてた車の人でしょ?」
 見られてたのか。ちょっとハズい。と思ってたら、お二人は途中で公安に捕まってた車に乗ってたんだって。そういえば見た見た。お互いに大笑い。それにしても、お二人は大名旅行。まず、あたしたちを見たとき、「あれ? 二人っきり? ガイドさんは?」って当然のように言ってたもんな。そう言うお二人は、上海からずっと雇っているというガイド嬢と、ここの地元のガイド嬢、計二人もガイドを連れていた。よく見ればここまで車で登ってきたらしく、傍にキレイなワゴン車も止まっている。もう戻るなら一緒に乗せてあげるって言ってくれたけど、あたしたちはまだのんびりしたかったから辞退した。
 でもさ、やっぱり車で登ってきちゃダメだよ。そりゃ、気の遠くなりそうな階段は炎天下でキツかったけど、だからこそ、この塔がよりキレイに見えるんだと思うよ。感動と価値が全然違うハズ。
 帰りはモン龍の町まで戻っている途中で、景洪へ戻るバスを止めて乗る。これで一安心、と思ってたら、とんでもなかった。小郷っていう町で長時間停車するわ、ここで乗ってきたある客のワガママを聞いて逆戻りするわ(なんと大量のセメント袋を積み込んだ)。ワガママをきいてもらったあんたにとっては運ちゃんはいい人なんだろうけど、約束があって戻るのを急いでいるあたしたちにとっては最悪。気を揉んでいるうちに、スコールになる。さすが熱帯雨林だ。でも、何とか約束の時間に間にあいそうな時間に景洪に到着し、スコールも上がっていた。
 で、こんなに気を揉んでCITSへ急いだのに、昨日のお姉さんはいない。違う人がたくさんいて。その中の一人に昨日メモ帳に書いてもらったお姉さんの名前を見せると、「飛行機の切符?」と訊くので、そうだと答える。すると、事務所の前の地図で民航の事務所への行き方を教えて、
「明日の朝、自分たちで行って買って。絶対あるから」
 と言う。
「でも、今日、手配の手続きするって、あの人と約束してるよ」
 と言ってみたけど、自分で買えるから、の一点張り。どうやら、仕事をする気がないらしい。手数料、儲けられるのにね。結局、「分かったよ」と言って、あたしたちはCITSを後にした。
 版納賓館の門を出ると、向かいにもCITSがあるのに気付いた。ここは小綺麗で、入り口の地図に野象谷も出てたから、訊いてみることにした。なんでこんなに野象谷にこだわってるのかというと、昆明で宣伝の看板を見たせい。熱帯雨林の谷に野生の象さんがいる風景だった。「歩き方」には載ってなかったけど、その看板を見て、どうしても行きたくなったのだ。
 さて、中に入ってみると、三人のお姉さんと一人のおじさんがいて、食事中だった。それでためらっていると、どうぞ、と言って椅子を勧めてくれた。安心して野象谷のことを尋ねると、お姉さんが電話をかけ始めた。その間、おじさんは自分たちの食べていた餃子を勧めてくれ、お箸を渡された。ナゾだ。この愛想の良さは、少し変わってる。
 雑談まで始まり、その中でここまでの交通手段を訊かれて、上海から昆明までは列車で、そこからここまでは寝台バスで来たことを答えると、とてもびっくりされた。でも、思ったほどはしんどくなかったし、何と言っても運賃がバスだと飛行機の約4分の1なんだもん。
 で、ツアーの方は、一人100元で決定した。もしかしたら高いのかもしれないけど、行き方が分からないし、ここのおじさん、とっても愛想が良かったから。
 夜、宿の部屋で、自分の足に青タンを3つも発見。身に覚えがない。いったいどこで……? やっぱり、揺れまくったバスの中で、あっちこっちぶつけたんだろーか……?


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