8月19日(水) 晴れ  景洪  景咏飯店・双人房

 今日は待望の野象谷へ行く日。係りの人が8時40分〜50分の間に迎えに来るって言ってたからのんびりしてたら、まだ8時半にもなってないのに迎えが来た。慌てて出発の準備をする。
 ツアーバスに乗り込んでみると、既に何人か乗っていた。その後も次々といろんなホテルを回ってお客さんを拾っていく。乗って来たのは最後の一人を除いて全員中国人で、一人のおばあさんを除くとみんな豪華なホテル。あたしらの宿はかなりショボイ。
 ところで、最後の一人は日本人の女の子。隣のおばあさんとペラペラ喋ってるから留学生だろうと思ってたら、やっぱりそうだった。
 野象谷に着いて、まずは象のサーカスの観賞。11時からだというのに、時間過ぎてもぜんぜん始まらない。10元払ったらできるゾウさんに乗っての記念撮影のお客が後を絶たないせい。決まってる上演時間を守るより、お金稼ぐチャンスのほうが優先らしい。
 その間ヒマなゾウさんは客席の傍に来てくれていて、1元で買えるサトウキビをあげることができたんだけど、中にはお金をあげてる人もいた。ゾウさんは賢い。お金は口に運ばずに、ずっと鼻で握ってる。それでも更に誰かがサトウキビをくれると、一旦お金を地面に置いてからサトウキビをもらって食べて、また忘れずにお金を拾うんだよ。
 結局20分遅れで開演。ゾウさんたちの芸はカワイイし、よくこれだけ頑張るなーって、感心しちゃった。

ゾウさん
ゾウさんの芸です。とってもカワイイ^^
ゾウさん2


 このツアーにはお昼ご飯が付いてた。同じツアーのみんなで、テーブルを囲む。そのときにいろいろ他のお客さんとも喋れて、ちょっと仲間気分が生まれた。
 食後、待望の森の奥に進んだ。ジャングルみたいな景色を楽しみつつ歩いていくけど、お目当てのゾウさんには一向に出会えない。他の人も数人、面白くない、と文句を言ってる。
 途中、川辺に太いロープを吊っているところがあった。ターザンごっこができるみたい。おばあさんが係員に値段を訊くと、タダという返事。それを理恵ちゃんに教えてあげると、理恵ちゃんは真っ先にチャレンジした。あたしは、パス。ブランコにも乗れないヤツだから……。
 その後休憩したのは、谷の上に張り巡らされた回廊の上。地図の写真や昆明の看板では、ここから谷間のゾウさんを見ていた。でも、いない。いろんな方向に分かれている回廊の一方へ行こうとすると、
「そっちは行っちゃダメ。昨日、人が落ちて、まだ見つかってないのよ」
と言われた。ホント……? ホントなら、かなり恐ろしい……。
 その後もゾウさんには一向に出会えずに、ひどく急な階段に着く。ここを上ればゾウさんに会えるのかも、と自分を励まして上った先にあったのは、ロープウェイ乗り場。切符売り場には「観象台」と書いてあって、これに乗って行けばゾウさんに会える! そう思って、別途30元もかかるにもかかわらず、おまけに高所恐怖症にもかかわらず、乗ることにした。
 ロープウェイのゴンドラは二人乗りの小さなもので、なんと窓ガラスがない。これは、ちょっとコワイ。でも、下さえ見なければ、すっごいパノラマのキレイな景色を堪能できた。
 しっかし、このロープウェイ、動きがすごく遅い。距離もすごい。最初かなり遠くに見えてた山を一つ越えても、まだ終点にならない。それに、なぜだか、ときどき支柱が倒れたヤツが転がってて、不安をそそる。いや、そこにはちゃんと新しいのが立ってるから、きっと古くなったのを立て替えたんだと思うよ。でも、それならそれで、なんでそこに放っておくんだ……?
 高所恐怖症のストレスが溜まり始めた頃、ようやく終点。今度こそゾウさんだ! と思ったら、そこにあったのは胡蝶館。中は、熱帯植物と放し飼いのたくさんの蝶。確かにキレイ。楽園みたい。見たことのない色鮮やかな蝶がいっぱい飛んでて。でも、悲しかったのは、その中のお土産屋さん。そのキレイな蝶の翅をムシって作った商品がいろいろあったのだ。かわいそうすぎる。
 更に歩く。まだ野生のゾウさんには会えない。で、留学生の子が添乗員さんに尋ねてみた。ら……
「昨日はいたよ。でも、今日はどっかへ行っちゃった」
って返事。なぁ〜にぃ〜〜〜!? あたしは野生のゾウさんに会うために100元も払ったんだぞっ。カンラカパへ行くのを取りやめにしてまでっ。なのにっ。
 ……とショックを受けている間にバスが見えた。これで終わり。ショック……。100元……。そりゃ、まあゾウさんの芸は可愛かったし、ロープウェイからの眺めもステキだったけど……お昼ご飯も付いてたけど……それぞれの宿までの送迎付きだったけど……でも、野生のゾウさん……(T_T)
 ツアーから戻った後、部屋で少し休憩してから、気を取り直して、今日で西双版納は最後だから、市内の民族風情園に行ってみることにする。最初はレンタサイクルで行くつもりだったけど、店には怪しげな西洋人がいっぱいで、とても近寄れた雰囲気じゃない。ビビってしまって、歩いて行くことにした。少し迷ったけど、無事到着。
 今日は夜に民族舞踊がある曜日だから遅くまで開いてるんだけど、静かでほとんど人がいなくて、各少数民族の住居を模した展覧館もみんな閉まっていて不毛。歩き疲れたけど、休憩所はとても蚊に刺されまくりそうで、座る気がしない。お土産屋もみんな電気が消えてるし……。
 しばらくウロウロしているとどこからか音楽が聞こえてきて、何かやっているのかと思って、音のする方へ行ってみる。タイ族の展覧館だった。良かった〜、一つだけでも見られて。
 あとはもう、夜8時からの民族舞踊ショーに賭けるしかない。というわけで、時間まで会場の近くのジュース屋さんで健力宝を買って、そこの椅子に座って休む。ショーの時間が近くなってくると、お客が増え始めた。
 やがて、きれいな黄緑の衣装を着たタイ族の女の人たちが現れ、踊りが始まった。男の人は太鼓を叩いていて、お祭りみたいだ。これを少し見てから、夕方に他の民族の会場も見つけてたから、走って見に行く。ジノー族だ。その後、もう一つ別の場所からも音がしてきたから走っていってみると、プーラン族だった。もう一度タイ族のところに戻ってみると、今度は舞台でショーらしい踊りをやっていた。キレイで色っぽい。でも、他の二つの民族のほうが、いかにも少数民族のお祭りみたいで素朴でよかったなぁ。
 帰る前に、お土産屋の電気が点いていたから、民族衣装を買いに行く。最初、タイ族のとっても可愛いピンク色のやつを買おうとした。でも、よく見せてもらっていると、黒い汚れが付いていた。それをネタにしても最初に言った以上はまけてくれないし、同じものもないと言う。違う色でも同じデザインのがあったらそれにしようと思ったけど、それもない。というわけで、ここで買うのはやめた。
 で、別の店に行った。最初の言い値も、「まけて^^」と言った後の値段も、さっきの店と全く同じ。協定でも結んでるのかな? とにかく、これにしようかなと思ったのは、やっぱりピンクのタイ族の衣装だったんだけど、他のも見ているうちに、とってもカワイイ他の民族の衣装が目に留まった。値段を訊くと、同じ値段。理恵ちゃんが見てたのも同じ。結局、どれを買っても同じ値段らしい。あたしは後で見つけたヤツを買うことにして、理恵ちゃんも民族手芸の服を3枚買うことにした。
 で、値下げ後の値段は一着70元だったから4着で280元なんだけど、それを250元にしてって粘った。それで交渉は成立したから、300元渡したら、お釣りが5元足りない。騒いでいたら、「じゃ、これもあげるから」と花の髪飾りを一つずつ出したので、承知した。
 さて、宿に帰ろうと思ったとき、理恵ちゃんが、「あれ? あたし、あれも買ったと思うけど……」と言う。袋を開けて、、買ったものが揃っているか確かめてみる。ちゃんと4枚ある……と、そのときは思ったのだ。でも……。
 宿に戻って、部屋で、「さっき買ったのを着て遊ぼう!」と袋を開けたら、理恵ちゃんが買ったはずの服がやっぱり一着足りなくて、全部で3着しかなかったのだ。ああ、たぶん、あたしのヤツが上下セパレートらなってたから、店で数えたとき4枚あるって見間違えたんだよ……。ショックだ……。これだったら、定価より高くなるじゃないかぁっ。店のおっちゃんは知っててやったんだろうか? それとも、おっちゃんも気付かないでいるのか……? いずれにせよ、ショックだ……。
 でも、これはきっと、昨日のバチが当たったんだ。忘れてて昨日の日記に書かなかったけど、実は市場でマクワ瓜を買ったとき、店のおばあさんはお釣りを間違えて5角余分にくれて。おばあさんは計算が苦手らしく、1斤で2.5元のマクワ瓜であたしらの選んだ5斤のヤツの値段計算を、横の若い女の子に尋ねてた。だからきっと、お釣りの計算も間違ったんだと思う。なのに、「まっ、いっか。5角くらい」って、こんなおばあさんなのに、返してあげなかった……。今日のことは、きっと、このバチ。そう思えば、損したことも諦めがつくし。でも、ホント、これからは、もっと正直に生きよう。


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